「カジノの危険は段違い」 バカラ賭博で借金苦…強盗未遂
東京新聞 2016年12月14日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201612/CK2016121402000173.html

 「統合型リゾート施設(IR)」整備推進法案(カジノ解禁法案)が参院で審議される中、
カジノ賭博にのめり込み、県内の施設に入所するギャンブル依存症者は「カジノはパ
チンコとは全然違う」「確実に依存症者は増える」と指摘している。(宮本隆康)

 「カジノは現金が十倍、二十倍に増え、夢があると錯覚していた。自分がギャンブル
依存症と気付かなかった」。薬物やギャンブル依存症向けの鹿嶋市内のリハビリ施
設「潮騒ジョブトレーニングセンター」で、東京都出身の元派遣社員の男性(31)は振
り返った。

 男性によると、十五歳でパチンコを始め、月に二、三十万円を費やす生活を十年以
上続けた。ただ、家賃と食費分だけは、手を付けないようにしていた。
 二年ほど前、飲み仲間に都内のカジノ賭博店を紹介された。「パチンコは勝つのを
待たなければいけないが、一、二分で勝負がつくのが好き」と、バカラ賭博で月に二十
日ほど通うようになった。

 「やっている時は楽しいし、勝った時の気持ち良さはたまらない」と話す。短時間の勝
負を繰り返し、投入額が増えた。生活費分もつぎ込み始めた。勝てば何十倍にも増え
るが、さらにレートを上げ、勝ち分を失ったことも。負けが続き「また来てしまうから、出
入り禁止にしてくれ」と店員に頼んだこともある。

 消費者金融の借金は二社から計約百二十万円で、家賃も三カ月分の約十五万円
を滞納。「やばい。どうにもならない」と悩む状態が何週間も続いた。今年八月、最後
の勝負のつもりで十万円を工面し、また裏カジノ店へ。「今日は十五万円勝つまで帰
らない」と宣言したが、負けた。

 翌日、約十年続けた仕事を初めて無断欠勤した。「現金を奪っても、逮捕されてもい
い。どうでもいい」とコンビニ強盗を思い立った。百円ショップでナイフを買い、深夜、東
京都板橋区内のコンビニ店に押し入った。

 顔も隠さず、ナイフを見せて店員三人に現金を要求した。「やめな。忘れてあげるか
ら」と言われ、すぐあきらめた。警察への通報を自ら頼み、強盗未遂の容疑で逮捕さ
れた。

 暴力行為などの罪で起訴され、罰金刑を受けた。弁護士の勧めで、現在の施設に
十月に入所。集団ミーティングなど、依存症の回復プログラムを受けながら生活して
いる。

 「バカなことをした」と思う一方で、「法案成立でカジノができたら行ってみたい」とい
う。カジノ解禁については、「外国人がたくさんお金を使ってくれるなら、いいんじゃない
ですか。パチンコよりもレートがずっと高いし、合法になればギャンブル依存症は確実
に増えるだろうけど」と語った。

「カジノはパチンコとは全然違う」と振り返る元派遣社員の男性
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201612/images/PK2016121402100070_size0.jpg