要塞タンやシャネルのパタンナーとやらが平面からAHカーブを起こせるのは、
そりゃAHなんて何百回も何千回も引いてるから、
理想のAHの丸ごとのかたちを頭や目や手が覚えているからだと思う。

私がしつこく「素人さんが平面で一発は無理」って言ってるのはね。

突然だけど、円筒をスパッと斜めに切断して展開すれば、その曲線はsinカーブになる。
(魚肉ソーセージやきゅうりを、斜めに切って皮を剥けば分かる。)
じゃあ、普通の人間が、フリーハンドやカーブ定規でsinカーブを描けるか?
描けないと、さっきのソーセージやカマボコのように切り口が平面にならないんですよ?

試しにsinカーブらしきものを厚紙に描いて、丸めてみてください。
いくら目安寸法や案内線があっても、どんなにすぐれた定規を使っても、
普通はsinカーブなんて描けないから、切り口はデコボコになる。
これが素人さんの描くレベルの袖山であり、アームホールなんです。

だけど、そのデコボコを、ちょこっとずつはさみで修正して行くことはできる。
満足行った状態で紙を広げれば、かなりsinカーブに近くなっているだろう。

もちろん、>>172で言った通り、袖はsinカーブではないから、この話はただの喩えだが。
(強いて言えば、袖ぐりを10区間程度に分割して、それぞれ微妙に方向性の違う
10種類のsinカーブをつなぎ合わせれば、理想のAHに近くなるだろう。
今はそこまで袖に関する立体的解析が進んでないから、アナログ的にやっているだけ。
いずれどっかのCADメーカーが自動で袖ぐり袖山を起こす製品でも出すだろう)

言いたいのは、平面製図で、たかが3つや4つの数字だけを頼りにAHを描くことの無謀さ。
パタンナーは常に、平面のカーブ線と立体の出来上がりとをリンクさせてるから、
自分の描いた線を立体に起こして、そこからフィードバックを受け続けているから、
やがて(アナログだけど)体がカーブ線を覚えて、平面で描けるようになる。
立体なしで上達するなんてどだい無理なんだよ。

紙と鉛筆と定規だけで、紙上で美しいAHを描けるように修行するってのは、
目的も手段も誤った最悪の選択だ。そういう人がいたら、ぜひ考え直して欲しい。