↓こういう良いことも書いておられます。 ちょっと見直した?
エクス・ムジカの次の特集は黛敏郎らしいので、伊東氏の論文も熱烈きぼんぬ。


『後期の黛には作品が殆どなく、テレビ番組「題名のない音楽会」が彼のライフワークとなったことはよく
知られている通りである。

実は、僕がプロフェッショナルの世界で仕事が出来るようになったのは黛敏郎その人に見いだされた為であった。
突然の彼の死後一年半弱の間は、彼が30年間座り続けた調整卓について、渋谷公会堂で収録されるこの番組の
音楽責任を一部負って生活を立てていた。この経験は、メディアに乗せることで、ライヴの音楽、
例えばオーケストラ音楽がどのように平板化され、記号化され、あるいは符号化され消費されてゆくかを知る
プロセスでもあった。次々と新しい意匠を繰り出さねばならない、地上波のテレビ・メディアなど、
それ以上の器ではないのだ、という冷徹な業界現場の事実。「涅槃」から「金閣寺」に至る響きの縮退は、
「お経」であればよいという記号的アリバイにまで音が回収されてしまった、感覚の北進と対応しているのだ。