>>398
>「ドビュッシーを弾く人に受ける」って、たとえばどんなところですか?

必ずしも技巧的にどうこうということでもないんですけど
ドビュッシーってやっぱり結構モダニストだったりもするっていうか
一般に広く考えられているほどには「ぶよぶよ」していないというか
ピアノ作品なんかにはサロン的なこじんまりした感じもありつつも
割とスキっとしたところもあると思うんですね
そこらへんを鑑みながら現代性を持った演奏スタイルを模索すると
ルヴィエのような形に落ち着くかなという感じがするというか

フランソワの即興的な雰囲気を秘めた軽妙洒脱な演奏や
ミケランジェリの精緻を極めた演奏も素晴らしいと思うんですが
それらはドビュッシーとピアニストの幸福な結婚であると同時に
彼等のみがなし得る至芸の世界でもあって
その点ルヴィエは言わば自然光のような形で
作品に光を照射しているように思えるんですね

そういったルヴィエの演奏スタイルはともすれば
精妙さや面白みに欠けるように受け取られてしまうのかもしれませんし
穿った見方をすればピアニスティックな効果を十分に心得ている点で
技巧に走り過ぎているという表現も可能なのかもしれませんが
私にはむしろ絶妙なバランスとコントロールで
また一方の正統的なフランス趣味とでもいったものを
醸し出すことに成功しているように思えます