サイモン・ラトル
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0333名無しの笛の踊り
NGNG新さが印象的でしたが、ラトルのアプローチも素晴らしいものでし
た。全般にスタッカートは鋭く、弦は歯切れ良く、管も空間を抜け
るような明るさで、全体がバランスするといった感じ。音は決して
重々しくならないで、フォルテ・ピアノを顕著に聞かせながら、音
が消え行く余韻に次の響きが連なるようなサウンドは爽快そのもの
でした。音楽の推進力は申し分なく、特に第1主題に続く、45小
節から続く木管のパッセージは10小節にまたがるレガートのよう
に演奏され、とても流麗であって、オーボエ、フルート、クラリ
ネットと順次変わる音色の変化が耳を喜ばせてくれました。こう
いった多彩なニュアンスが変幻自在といったところで、基本となる
弦のベースも歯切れのよい力感が最高にバランスしていました。そ
れから強弱の設定も随所に加えられていて、特に1楽章エンディン
グの手前、662小節で急激なデクレッシェンドを効かせて、すぐ
にクレッシェンドに転じ、フォルティッシモのトゥッティ連続に突
入するあたりの冴えは素晴らしかったです。じっくりと聴いている
と、随所にラトルの手の内が見えてくるのですが、これらがとても
自然でリーズナブルなところがまた凄いです。またフィナーレは圧
巻で、アレグロ・モルト冒頭の強烈なパッセージに続いて、素晴ら
しく響くピチカートを経て、3連打のフォルティッシモ。長めの
フェルマータを取ったあと、スピードを落としてからの弦の連打と
次の管の連打のコントラストが強烈でした。目まぐるしく展開する
パッサカリアに呑み込まれそうな演奏で、ホルンの朗々とした響き
に大きく高揚しました。音楽全体の統一感も見事でミクロとマクロ
で聞かせるベートーヴェンに圧倒。アンコールはシベリウスの「鶴
のいる風景」。弦の深い響きがとても印象的でした。今日はまさに
ウィーンフィルの真髄を新鮮な指揮で聴ける貴重なコンサートでし
た・・・
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