1年たったビルで購入。家康、安部 龍太郎。一 自立篇 幻冬舎。
全五巻構想、大河小説第一巻!! 京都新聞の小説は三方ヶ原までだった。
第一巻で三方ヶ原の連載終了までいく。後は謎だが続きがあるらしい。
180頁。山門につづく石段を登ると、境内には大勢の参拝者が集まっていた。
瀬名の説法を聞きに来ている者たちである。
出家こそしていないが、瀬名は五年の間に仏の教えを学び、わかり易い言葉で
庶民に説くので人気を集めている。中略。「今日は説法をするそうだな」
大勢が楽しみにしているようだと、家康は瀬名の活動に理解を示した。
「はい。庵主さまに頼まれましたので」
「何を話す」
「まだ決めておりません。『今昔物語』の中に話題はないかと、今朝から
さがしていたところでございます」
瀬名が少し照れた顔をして物語の綴りを見せた。
「『日本霊異記』も参考になるかもしれぬ。持っておるか」
「いいえ、あいにく」
「ならば近々届けよう。康忠、頼んだぞ」
家康はそんな気遣いをして、話があるので竹千代を呼んでくれと言った。
別項を次項で抜粋する。