20世紀初頭というか19世紀あたりからフロイトだとかニーチェだとか
人間の精神というものが注目されるようになった。それまでは喜怒哀楽
程度の認識だった人間の精神性というものがより深く分析されるようになり
それとともに「精神性」をテーマにした音楽も増え、現代音楽のように
不協和音をもって現代人の不安を表現したりもした。ベートーヴェンは
その入り口を作ったと言えなくもない。
ただモーツァルトが「鋭敏な耳が行き着いた音楽」だったという表現には
賛成しかねる。むしろ1曲の中に不安があり希望を見出そうという葛藤があり
絶望がありやがて安らぎを求めて行くような展開には、深い精神性を感じる。