武満は荘村からギター曲を作ってくれるようお願いされた。
武満は、最初は断るつもりだったが、浅香夫人から若い人のために協力してあげたら云々…と言われたので作曲することにした。
そうして生まれたのがフォリオス。

それが縁で、もともと武満はポップスなども好きだったこともあり、12の歌をギターのために編曲し荘村がそれをレコーディングした。
レコーディングではオリジナル曲よりも演奏に対する注文が多く何度も録り直した、と荘村がどこかで述べているはず。

例えば、ソルやタレガの作品は、ギターの特質を本当によくつかんでいて楽器の都合に沿った作品に仕上がっている。
セゴビアの助言もあってかテデスコやポンセも同様だ。
そして、これらの作品はギター弾きにとって「弾く」ことの快感をも味わせてくれる。

演奏不可能というわけではなく、かといってギターの都合だけに頼らない作品群は、
それまでのギターでは得られなかった響きを提示してくれる。
これらは、アマチュアには手を出しづらいしプロであっても演奏効果を充分に出し切れないときがあるかもしれない。
しかし、それらの営みは、ギターの可能性を拡げてくれる。
セゴビアが、イエペスが、ブリームが、ジョンが、バルエコが、山下が、他の奏者たちが、
それぞれの考え方で時の作曲家たちにギターに目を向けさせ、あるいは自らのアイディアで以って、新しい血をギターに注ぎ続けた。