立花隆の『武満徹・音楽創造への旅』。
この連載はもう書籍化されないものと思って諦め、半分忘れかけていたところに、
今年になっていきなり出版された。

武満に興味のある人、現代音楽に興味のある人、
いやそもそも音楽自体に興味のある人にとって、実に読み応えのある本になっている。

おそらく立花隆の代表作となるだろう。
他の著作は50年もすれば誰も読まなくなるだろうが、
この本は「古典」、「必読書」として残るだろう。

武満は、こと音楽に関しては、一切の偏見をもたない、実に視野の広い人だった。
その「懐の深さ」は驚嘆に値する。少しでも見習いたいものだ。

クラギに関する記述は2ページしかなかったのが残念だった。
演奏技術の進歩というテーマにからんで、荘村と山下のエピソードが載っている。