フルトヴェングラー グレート・レコーディングズ 音楽之友社
劇音楽《エグモント》作品八四〜序曲
@BPO、1933年ポリドール
ABPO、1947年5月27日
BVPO、1953年9月4日
AはCDを所持しており今聴いた。ベルリン、ティタニア・パラストにおける
ライヴ・レコーディング。
戦後フルトヴェングラーがようやくベルリン、それもフィルハーモニーに復帰して
行なわれた演奏会の二回目を収録したためもあるだろう。
この演奏会はベルリンに感動の渦を巻き起こした。経済的にもどん底の時代、
何とかしてフルトヴェングラーの音楽をもう一度聴きたいと思った人々が、
チケット売場の前で絵画や陶器、果ては「当時の実質通貨とも言うべき、
タバコやコーヒー」でチケットを手に入れようとした、とカルラ・ヘッカー
は回想している。客席で《エグモント》序曲を聴くことのできた人々は、
フルトヴェングラーの指揮棒が前面に押し出す豊かな精神性と勝利感に
じかに触れて、最悪の事態は終わったということを、どんな言葉で
語られるよりも身にしみて実感したにちがいない。