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(文芸時評)ポルノとファシズム
2016年3月29日19時14分

■片山杜秀(評論家)
蓮實重彦の「伯爵夫人」が素晴らしい。文が生動する。
夏目漱石や永井荷風に連なる調子。たとえばこう。

「小春は尻の下に手をさしのべ、冷たい指先を音もなく肛門(こうもん)にすべりこませる。
何をするのだと二朗が身を起こそうとすると、太股(ふともも)を押さえつけるようにして動きをとめ、
冷えた指もそのうち温かくなってまいりましょうと口にしながら指先をぬるりと奥へとさし入れ(以下略)」

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