切なく美しいシェーンベルクだ。全く無機的にならない冒頭から見事だ。
驚異的に微笑みに満ちた経過部も実にすばらしい。渾身の力をふりしぼっ
た有名な主題も息をのむばかりで,ここでボスコフスキーは,感情を高貴
な哀しみに昇華させている。しかも表現が鋭くシェーンベルクの本質を突
いているのだ。特にすばらしいのはフィナーレで,これはまさに哀しみの
極みだ。哀切さの極まったものとして後世に残すべき名演といえよう。