>>866 宮城谷昌光先生のクラシック私だけの名曲1001曲より。
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第三番 ハ短調 作品37
バックハウス(ピアノ)、イッセルシュテット指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音●1958年。本文を紹介する。
 手もとにある第三番のCDをすべて集めてあらためて聴きくらべを
おこなったところ、私がもっているCDのなかには超絶した名演奏が
ないことに気づいた。ピアニストと指揮者をならべてみるとつぎの
ようになる。
バックハウスとイッセルシュテット◯は所持していることにしておく。
ブレンデルとハイティンク。ペライアとハイティンク。ルプーとメータ。
ギレリスとセル◯。ミケランジェリとジュリーニ。グルダとシュタイン◯。
ルービンシュタインとバレンボイム◯。内田 光子とザンデルリンク◯。
アシュケナージとメータ。
そのなかで第一楽章だけであるなら、ペライアが断然よい。また第二
楽章はルプーがすぐれている。また内田 光子を支えたザンデルリンク
の指揮は他の指揮者にない構築の妙があり、ルプーと組んだメータの
演奏はニュアンスが豊かである。残念なのはミケランジェリで、ピアノ
の表情がやや固い。音が美しいので悔やまれる。ライヴでない録音を
残してもらいたかった。そのように消去してゆくとバックハウスが
残ったにすぎない。この曲の美しさとむずかしさがあらためてわかった
つもりである。そう書いて三か月後に、ヘスのピアノとトスカニーニ
指揮NBC交響楽団の演奏(録音一九四六年)におどろかされた。ピアノ
だけならヘスが最も良い。トスカニーニの放送用の録音盤は千金を
積まなければ入手できなかったのに、いまはたやすく入手できる。
私は他にポリーニとアバド。ケンプとライトナー。グールドとカラヤン。
ワイセンベルクとカラヤン。ツィマーマンとバーンスタイン(DVD)。
ルービンシュタインとトスカニーニ。バックハウスとベーム。
グールドとバーンスタイン。バレンボイムとクレンペラー。
ブレンデルとレヴァイン。アラウとデイヴィス。他にもあるかも
しれないがよくわからない。これだけはある。とにかく吉井 亜彦先生
は本当に凄いコレクション。