どっかで見たことあると思ったらラヴェルのブラームス評か

「天才」の本質、つまり、芸術創造の本質とは、直感、または感性によってのみ構成されうるものである
芸術においては、ことばの絶対的な意味においての「技能(メチエ)」は存在しえない
ある作品が均整のとれたプロポーションや、優美な展開をみせるとき、「着想」が果たしている役割は限りなく大きい
発展させようという意思は不毛なだけである。
これがブラームスの大多数の作品に最も顕著に見られることである。

交響曲ニ長調において、主題は親密で柔和な音楽性を示している。
旋律の輪郭とリズムは非常に個性的であるが、それらの主題はシューベルトやシューマンのものと直接つながっている。
提示されたとたん、それらの足取りは重く苦しげになる
この作曲家はベートーヴェンと肩を並べようと絶えずとりつかれていたようだ。

ブラームスの欠点はすなわち、主題とその展開が不釣合いなのだ
着想は明確で簡素、ときに陽気で、ときにメランコリックであるが
一方展開は大言壮語的で複雑かつ重たい。
ドイツの巨匠の構成は巧みであるが、しかけが多すぎるように感じられる。
オーケストレーションは輝かしいのだが。