「ヴァレリー・ゲルギエフは、私にはひどく不愉快な音楽家である。
その演奏はがさつで、乱暴で、不潔っぽくて、発想は幼稚で…
いいや、それだけでなく、他にもいっぱい、投げつけたい言葉はある。
しかし、もし彼の演奏に、適切な言葉をただひとつだけ選べというのなら、
「低俗」と言おう。低俗と明快とが結びつくとき、まったく我慢できないような
腐臭がするが、ゲルギエフ(とついでに名を挙げればバレンボイム)からは、
まさにこのいやな臭いがする。(中略)
こんな代物が世界中でもてはやされる光景に、私は、審美眼の消滅を
痛感させられ、暗然とする。昨年(2002年)発売された「シェエラザード」など、
私には愚劣のきわみとしか聞こえない。」
許光俊「絶対邪悪」〜季刊「クラシックプレス」第14号(2003年)より