30年くらい前、小澤征爾さんが40歳くらいで、もうボストン交響楽団の音楽監督になっていた頃、
ウィーン・フィルの連中と、将来有望な若手指揮者は誰かを品定めしたんです。
アバド、メータ、ムーティ、クライバー。小澤さんについては、
「セイジはいいけど、モーツァルトのオペラが振れない」って言ってた。

井上道義
そうですか。征爾さんの場合、モーツァルトは、オペラじゃなくてもうまくいってない。
原因のひとつは、モーツァルトはやっぱりあの地方の音楽だから。
征爾さんは最近ウィーンにいて、とても勉強する人だから、うまくいくようになったんじゃないかなって期待するんだけど・・・
初期の頃、音楽を勉強する方向の路線を間違えた。最初は少ししか角度が違わなくても、
先へ行くと違いがワーッと広がるのと同じで、最初にずれちゃっているから、直すのが大変。
『指揮者の世界』p109より引用。
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これを読んで、小澤征爾のモツオペの録音がない理由が分かった。
ウィーン国立歌劇場の音楽監督にまでなって、モツオペの録音がないのが不思議だったんだよね。