(続き)
 作曲家の故諸井誠さんの導きでベートーベンに開眼し、18世紀の
楽器に触れることでモーツァルトの時代精神に目覚めた。「舞台に出て
いく時は音楽の神様に仕えている気持ちになる。一瞬でも気を抜くと
神様は意地悪をする。音楽家の人生とはそういうもの」

 まともに受け止めるとしんどくなる重い話を、失敗談を交えながら
軽妙な語り口で次々と披露していく。音楽好きの読者だけでなく、
日々苦闘する音楽家にも笑いと共感、勇気を与えてくれる
エンターテイナーだ。(春秋社、2000円)松本良一


『ピアニストはおもしろい』

仲道郁代/著 春秋社/ 2160円

=おわり=