4・6の和音の使い方はブラームスが第1級



坂本: 一寸戻りますけれど私はカッチェンなどで目を開かれたのですが、
ブラームスのピアノ曲の和音というのはベートーヴェンとかシューマンにない独特の美しい響きがありますね。
Op.117など特にそう思うのですが。

 
森安: ございますね。それと和音の重ね方で気がついたのですが、3音重複ということをやるのですね。
これを沢山重ねますと非常に厚ぼったい響きになりまして嫌いな人はこれを非常に嫌う訳です。
和声学では3音重複は特殊な場合の例外として古典では使うのですよね。ブラームスの場合はこれが頻繁に出ます。
(第1交響曲3楽章のトリオの部分をピアノで)これはよくないとクララ・シューマンが云ってたらしいですけれど。
音が鳴りにくい原因に3音重複もそうだけれど46の和音を沢山使うというのがありますね。これは響きが非常に不安定になります。
ところがこの46の使い方で作曲家がうまいか下手かの分れ目になるんです。46の使い方のうまさと云ったらブラームスが第1級でしょうね。
シューマンがよく46を使いますが、彼のは時々聴いていて下手に聞えます。ブラームスの場合非常にうまいですね。
今ちおっしゃったOp.117の最初などもそれと同じことを何回もやっています。