おれはトスカの千秋楽はとても楽しめたよ。

この演出は新国の中でもとくにお気に入りの演出でね。

1幕の最後のところ。
スコルピオの邪悪な独白と、その背後で進行する荘厳なミサと。
この対比は印象ぶかい。

2幕で室外から聖なる音楽やトスカの歌声が聞こえてきて、
室内劇と同時に進行しているような感じで
空間的なスケールを感じさせてくれる。

それでいて、舞台の作りは極めてオーソドックスで、
奇をてらうような要素はひとつもない。
じつに自然だ。

この演出家はプッチーニの音楽を強烈にリスペクトしているのではないかな。
こういう奥ゆかしさは日本人の琴線に合う。

この演出をみて教えられたことはだな、
つまり、プッチーニという人物は、音楽作りにおいて
舞台上の空間をものすごく計算にいれていた、ということだ。
要するに天才だな。