もしかして「グルダやラヴェルのようなフーガを書けるようになりたい」とかが真の悩みなのか。
そうだとすると書かれたことの意味がわかる気はする。

学習者のこの種の疑問
1.書法の勉強ってなんでバロック・古典派ばかりなの?
2.近代スタイルには同じような系統だったトレーニングがないの?
3.じゃあたとえばラヴェルみたいなフーガが書きたかったらどうしたらいいの?
にちゃんと答えるのってなかなか難しい気がする。
うまく説明できるか自信がないが、とりあえず書いてみる。

近現代は作曲家ごとの様式が離れすぎていて、古典和声のように統一的に論じることは難しいが、
近代和声の教科書はもちろんあるし(パーシケッティとか)、教える人もいる。
そして「ラヴェルの和声」みたいに作曲家個人の様式を論じた研究書、論文もたくさんある。
でも、こういうのがルネサンス対位法の実習みたいにわかりやすい系統だったトレーニングに昇華されることはあんまりない。
ではたとえばラヴェルみたいなフーガが書きたかったらどうするかというと、これは納得してもらうのが難しいのだが、
やはり古典和声とルネサンス、バロックの対位法をちゃんと学ぶのがいちばん良いと思う。
近代音楽もこれらの上に成り立っていることは間違いなく、古典的な様式を学ぶことで、
ラヴェルの個人様式とは何なのかということを理解できるようになるからだ(もちろんその際は、近代和声の教科書も助けになる)。
いきなりラヴェルを模倣しようとして楽譜とにらめっこするのはもちろん良い経験だとは思うし、
それも勉強になると思うが、古典を通過したほうがけっきょく近道だろう。

ところで、これは根拠のない霊感なんだが、あなたが「ラヴェルのようなフーガを書けるようになりたい」と特に思うのは、
それ(クープランの墓のあれだよね?)がポピュラー音楽の視点から見てもありそうな響きの「正統な」音楽だからではないかな。
そういう「憧れ」で古い音楽を勉強するとしたら茨の道とは思うw