「それにしてもなんという思い入れのある優しさであり、リリシズムであろう。
ブルックナー演奏には禁忌のポルタメント奏法もここでは効果を上げ、
なつかしくも人恋しい歌を歌いぬき、それが聴く者の心を満たし、通り抜けていく。
(・・・)チェリビダッケは完全に音楽の中に浸り切っており、1ヶ所としてストレートに
は進まず、十分な間を保ってあふれんばかりのハーモニーを創造、ときには後髪を引かれ、
先に進むのがいやなように遅いテンポで停滞する。その思い切った心の込め方が音楽に
ぴったりなのだ。」(宇野功芳氏)