1970年代のスズキは、スズキ(笑)というレベルだった。弓にしても、いくらねじを回しても張力が上がらずに
バロック弓みたいになってしまうのとか、プラスティックのペグとか塗った指板とか普通で、ケースも板紙でできて
いて、スクロールも樹脂製で、魂柱が接着してあるとかにかわじゃなくて工業用接着剤だとか言われていた。
ヘフナーはプレスでも人が少し削っているらしくまともだった。そんな時代には古いまともな構造の削り出しの平
凡な工房製量産楽器にも意味はあった。それらの楽器の値段もだいぶ釣り上げたようだ。
 そのレベルのオールドなんて、ガラクタを一万もしない値で仕入れて直して30万とかで売っているんだから、量産新品の削りだ
しを40万位で買う方が利口だとは言われたことはあった。
 楽器屋は、これだけ普及した中国製のアマ向け新品量産楽器を今更悪くは言えないし、かといって古いだけの
工房製削り出し量産楽器を神秘性を込めて100万近い値で売りつけることをやめちゃうと利益率が下がってしま
うし、だから矛盾した口上の羅列になっている。
 冷静に考えれば違った選択があるはずなんだが、ステップアップと称してなんちゃってオールドをみんな買っ
ちゃうんだよね。まあプロだってだまされるわけだし。
楽器屋のストーリーに乗って踊っていれば幸せなんだけどね。