>>416
種も仕掛けもあるけれど無いと思い込ませる、新即物主義というマジック。

フルトヴェングラーを聞くとテンポを激しくいじっているのがすぐに分かる。
ストコフスキーを聞くとオーケストレーションをいじっているのがすぐに分かる。

しかしトスカニーニを怱卒に聞いた当時の人々は「全く楽譜どおりに演奏している!」と誰しも思い込んでしまった。
(実際は楽譜をいじりまくっていたのだが。)
ここがトスカニーニの古さと新しさが同居したところ。

当時は流行っていなかった「“楽譜に忠実な演奏”をついにトスカニーニがやりはじめた」
と聞き手に思い込ませることに成功した。
(しかしそう思い込ませただけで、実際にはいじりまくり、楽譜に忠実でも何でもなかった。)
トスカニーニはそういう思い込みを抱かせるアレンジと指揮をする指揮者だった。