▼ピケティ理論をアベノミクスに当てはめる

トマ・ピケティの著書『21世紀の資本』には
「資本収益率(r)は経済成長率(g)より大なり」という“「r>g」の法則”
など 経済学の定説を覆した新理論が書かれて、注目されている。

同書の理論を日本の経済政策、つまりアベノミクスにあてはめると、どうなるのか?

OECD加盟国のうち、日本の相対的貧困率の高さは米国に次いで第2位。
英米と違って超富裕者は少ないが、働いても賃金が低くて生活が苦しい非正規社員や
「ワーキングプア」の増加も社会問題になっている。

ピケティは、インフレ誘導を目的とした日銀の異次元金融緩和には、すでに警鐘を
鳴らしている。
「不動産や株の値をつり上げてバブルをつくる。それはよい方向とは思えません。
特定のグループを大もうけさせることにはなっても、それが必ずしもよいグループ
ではない」  (1月1日付朝日新聞)

アベノミクスには『r』をさらに大きくする発想が根本にある。
株価上昇に重点を置き、非正規雇用を増やすとの懸念がある派遣法改正など、
労働市場の規制緩和に積極的。
大企業や資産家優先で、不平等を深刻化させてしまう設計思想だ。

懸念は現実になりつつある。この2年で大企業の業績は回復し、株価も約2倍
になった。 ところが、物価上昇分を差し引いた実質賃金は、前年同月比で
17カ月連続減だ。