輝かしい音を好む指揮者の手にかかれば、ピッチがどんどんあがっていってしまう危険性がある。
その一例がカラヤン指揮のBPOのピッチである。
ある時、スタインウェイ社のFranz Mohrが実測したところ、A=446Hzだったという。
これが、いわゆる「カラヤン・チューニング」である。
1960年代のカラヤンのヴィデオなどを再生すると、A=446Hzどころか、なんと半音高い場合さえある。
カラヤン時代のBPOが、よく言えば輝かしく、悪く言えばけばけばしく聴こえる理由の一つだ。
BPOはカラヤン以降も、445Hzあたりのピッチを使い続けている。
BPOがかつてのドイツ的な暗い音色を失ったと囁かれる一つの原因に違いない。