イタリア便り 愛想尽かした名指揮者
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140928/erp14092807000002-n1.htm

 今年の5月末、ローマ歌劇場を率いて来日し、ヴェルディのオペラ「ナブッコ」などの公演で
日本のオペラファンを熱狂させた名指揮者リッカルド・ムーティが、団員の相次ぐストライキと
勝手な態度に愛想を尽かし、9月中旬に歌劇場に絶縁状をたたきつけて去っていった。

 ムーティ氏は約6年前からローマ歌劇場のオーケストラの質の向上に努力し、
イタリアの首都にふさわしいものに復活させようと努力してきた。
実際、彼が指揮をとるたびに歌劇場は超満員になっていた。

 ローマ歌劇場の団員、つまり、オーケストラ、コーラス、バレエ団、裏方などはイタリア3大労働組合の
いずれかに属しているが、特に最左翼の「イタリア労働総同盟」系の組合員が歌劇場の
経営再建を目指す経営陣の合理化方針に反対し、正常なオペラ上演を妨げてきたのである。

 例えば、2月末の「マノン・レスコー」の初日数日前の練習では、オーケストラ団員が
突然集会を開き指揮者を30分も待たせたほか、5月の日本公演では
第1バイオリンを含む約20人が参加を拒否したと報じられている。

 今シーズンの開幕を前に「こんな雰囲気では満足できる演奏活動はできない」と、
この世界的名指揮者が堪忍袋の緒が切れたのも当然である。(坂本鉄男)