>>641
曲目解説で書かれているこれですな

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ギターは音色変化に富んだ美しい楽器です。”小さなオーケストラ”とさえ言われるほどですが、機能の点
でかなり不自由な面をもっています。しかし、そのために反ってこの楽器は作曲者(あるいは編曲者)に、
特殊な愛着と好奇心を喚ぶ(よぶ)のでしょう。
 私はギターという楽器が好きです。そして、自分のよろこびのためにこの”12の歌”を編曲したのですが、
だがそればかりではなかった。率直に言って、私は、現在のギター音楽のレパートリーの狭さに疑問を感じもし、
また不満があります。クラシック・ギター(特に日本で)の世界が、”今日”との触れあいを失った閉ざされた状況に
あるのは、限られたレパートリーを洗練された技巧で上手に演奏するだけの趣味に陥ったからだろうと思います。
音楽は個人の好みや趣味から、また慰めから出発するものでしょう。でも、その地点に停まるものであれば、
音楽は決して生きたものとはなりえません。
 私は大それた野心を抱いてこの編曲を試みたわけではありませんが、ギタリストたちの固定した風景に
もうひとつの窓から別の風景を開きたいと考えたのです。
”12の歌”はそれぞれに高度な演奏技巧を必要としますが、それはまず何よりも柔軟な精神へのエチュードなの
です。