カラヤンはレコードとコンサートとでは、まったく異なる音楽家だった。
ところが、生前のカラヤンはバンスタと異なり、晩年を除いては必ずしもライブ録音に
積極的ではなかった。実演では熱い演奏をしていることが知られたのは、没後
テスタメントやパレクサあたりの放送録音が出てきてからのことだ。

カラヤンは、演奏会ににかける前に、その作品の録音を終えておくのが常だった。
そしてツアーをやり、プロモーションをかねてレコードを売ってゆく。
要するにレコードはリハーサルの一部であった。

そのへんが商売人と揶揄される理由でもあるのだが、録音をリハーサル化するという
コロンブスの卵的な発想をしたカラヤンのセンス、そして実演の完成度と凄さを知れば
誰もが納得せざるをえない。それがカラヤンの凄さであったと思う。