多種多様な曲を限られた時間で仕上げ、良識ある演奏にしたからこそ、モノラル時代からDECCAライブラリー充実のために一役買った人だ。
VPO時代やコヴェント・ガーデン時代にはかなりの爆演もあるが、70年CSOとのマーラー5あたりからそういうのが控えめになる。
そしてまさに「スタンダード」という意味を、高い次元で結実させる能力があったことは否定できない。
スタンダードとは「普通」ではなく、どこに出しても恥ずかしくないという意味の方が妥当だろう。
その日のプログラムにもよるが、ショルティは演奏旅行中にユニオン規定でリハーサルができなくても、
それでも日本の聴衆のためにマイスタージンガー前奏曲、タンホイザー序曲、ラコッツィ行進曲などを演奏してくれて涙がちょちょ切れそうになった。
CSOとの初来日の時、アンコールがなかったのは唯一ジュピター/マーラー5番の日のみ。さすがにマラ5のあとにアンコールはねw
ヨーロッパ遠征公演なども聴いたことがあるが、実演に接してこれだけ鮮明でバランス感覚が優れた指揮者というのは希としか言いようがないでしょう。