まぁ,音楽に引きつけて考えても,人間はなぜある音の組み合わせ(音相互の関係)を心地よく感じるのか.
なぜある音とある音の組み合わせは不協和に感じるのか,という根本的(生理的)な理由は解明されていない.

心地良く感じる音を調性の原理として突き詰めていったのが西洋音楽の特殊性であり,かつ世界を圧倒する「普遍性」を獲得した所以のひとつだったわけで.
それを解体していく方向へ自覚的・意識的に進んでいったのがシェーンベルクですよね.

バッハやブラームスの編曲はそのような歴史感覚の延長上の作業なわけで,こうした歴史意識はやはりストラヴィンスキーとは違う.
ピエロやワルシャワの生き残りとか,聞いてて心地よいと感じる人はいるかもしれないけど,圧倒的少数ではないか.

逆に言えば,戦後の現代音楽の主流は調性回帰などできないけど,聴覚上の心地よさを完全に捨て切れていない.
音の響そのものに聴覚上の心地よさを忍びこませるようなアプローチが増えているように思える.