ヴァイオリンの巨匠ヤッシャ・ハイフェッツは、3オクターブのスケールを弾かせれば技量がわかるといっています。
音階が基本であり音階をきちんと弾けるかどうかということです。

興味深い実話があります。ユーディ・メニューインという天才ヴァイオリニストがいました。
10代前半でベートーベン、ブラームス、バッハの協奏曲をオーケストラと共演するほどでした。
その10歳そこそこのメニューインは母親に連れられて当時の巨匠、ウジェーヌ・イザイの元にやってきました。
ウジェーヌ・イザイはヴァイオリンの皇帝といわれたほどの巨匠でした。
当然多くの若き天才ヴァイオリニストが皇帝の下にレッスンを受けにやってきました。

イザイは幼少のメニューインがブラームスやチャイコフスキーの協奏曲を非常な完成度で演奏できることには関心を示さず、
まず、3オクターブの分散和音を弾いてほしいといいました。

メニューインはこれができなかったのです。これでレッスンは終了で親子は逃げるようにイザイの元を去っていったと伝えられています。
ヴァイオリンの愛好家であれば後年のメニューインの演奏がどうであったか知っていると思います。