演奏自体はとても素晴らしいもので深く感銘いたしましたが、
どうしてリストだけで一晩を通す、芯の通ったリサイタルにできないのでしょう、とそこに不満が残りました。

もちろんそれは、いつまでもダラダラと続いたあのカーテンコールに原因がありますわよね。
幻想即興曲やワルツ15番など、キーシンが本気で昨晩弾きたかったなどとはとても思えません。

どなたか彼のお近くにいらっしゃる方、ぜひ彼にお伝え願えませんか。
どうぞ人目など気にせず、あなたのしたいようになさい、と。
もっと欲しい、下さい、ちょうだい、とどこまでも物欲しげに手を伸ばしてくる聴衆など
気にしなくていいから、あなたの芸術をいっそうスケール大きく磨きあげなさい、と。

いつまでもキーシンにいい子ちゃんでいてほしい、と望む日本の聴衆の雰囲気からは
できるかぎり早く逃げ出してほしいと感じました。
あなたのためにも。