先の英国ロイヤルバレエ団の公演においては、当初出演予定をしていたプリマのひとり、
ヴィヴィアナ・デュランテが参加しなかった。(中略)
何人かのお客様から、払い戻しはできないかという問い合わせがあったが、
言葉を尽くして、出来ないことを納得していただいた。
昨秋の東京バレエ団の「白鳥の湖」の主役がアスイル・ムラートワから、
デュランテに代わった時には払い戻しに応じたのに、今回はなぜ払い戻ししないのかと。

東京バレエ団のゲストの場合と、ロイヤルバレエ団の主役が代わるのでは、
まったく条件が違うのだ。東京バレエ団のゲストの場合は個人契約で、
初めからスターで売っているから、払い戻しも考慮の対象になるが、
ロイヤルバレエの場合は団体契約で、芸術上の責任はロイヤル側が負っているのである。

「怒っている人集まれ」佐々木忠次著・新書館刊・P161より抜粋