マイルス イズ ミュージック  と言う言葉がある
その伝で行くならさしずめ  モーツァルト イズ ミュージック といった所か
彼の音楽は実際驚くほどに現代的である
重厚長大な響きは19世紀の通弊だが彼には全く無縁だ
彼が壮大な音楽を書かなかった訳ではない
やり方が極めて独特でロマン派よりも遥かに簡潔かつ直裁的なだけである
いかに素早く核心に飛び込むべきかがわかっていた
その最も聡明な例がドンジョバンニの冒頭である
レポレロの独白の直後にいきなりクライマックスに突入する
ここの鮮やかさは誰もが賛嘆するだろう
深さと簡潔さを合わせ持つ驚異的な音楽である
つまり彼は19世紀を飛び越えて現代に繋がる斬新性を持っている
歴史的な偶然なのかも知れないが不思議な現象だ
世の中で最も不思議な音楽家ではないか