>>806
まず、ブル8には大別して1887年の第1稿と1890年の第2稿があり、一般的に演奏されるのは第2稿
ハースは第2稿をベースにしたが、
第1稿から第2稿への改作で短縮された箇所を復活させるなど独自の編集をした
ノーヴァクは2つの稿を別々に、概ねそのまま出版した
その結果、ハース版はノーヴァク版第2稿より後半楽章がいくらか長くなっている
小節数に影響しないオーケストレイションの違いは第1楽章からかなりあるが、
より分かりやすいのは小節数の違いなので、そちらを説明してみる

第3楽章では、楽章終盤、徐々に盛り上がって初めてトゥッティで主題を強奏する箇所
第1稿は途中で10小節の静かな部分(「谷間の百合」に例えられる)が挟まっており、
この部分は第2稿で省略されたが、ハースは第1稿に従った

第4楽章では、まず提示部終盤、トゥッティで第1主題を強奏する箇所(「死の行進」とも)の直後
第1稿では木管楽器とヴァイオリン・ソロを伴う弦楽器による20小節の移行句があり、
第2稿ではティンパニが弱音で刻み続けるシンプルな4小節に置き換えられたが、ハースは第1稿に従った

次に再現部第2主題の前半の「交響曲第7番第1楽章に似ている」と指摘される箇所
第2稿では再現を省略されたがハースは復活させた
それ以外にハースは提示部終盤と再現部終盤で数小節復活させている

特殊なのは再現部第3主題の終わりの木管の部分、
ハースは第1稿とも第2稿とも異なるが、これは改作時の没案から拾ってきて採用したらしい