5番は、構成が全体的にいびつな感じですね。

他のナンバーは、複雑巨大ながらもそれなりに一つの結論に
達する曲と思われるのに対して、5番は複数の方向性を
抱え込んで、それが最終的に一つの結論に達することなく
終わる曲だと思う。

それを「溺れてる感」と言っても、「破綻してる感」と言っても
違いないのでは。

マーラーは、長大な曲に、説得力のあるエンディングを与える
ことのできる作曲家だと思うのだが、5番だけは、何か、
カタルシスの得られるエンディングじゃないような気がする。

「苦悩から歓喜へ」という分かりやすいものじゃないよね。
空騒ぎというか、本当の解決になってないようにも受け取れる
終わり方をするのが、5番だと思う。悲劇的でもないし、浄化
されるわけでもない。どこかシニカルだ。

ところどころ回想や恋愛感情が挿入されたりして、脈絡なく
話の続く夢でも見てるような気分になる。そういう構成を、
面白いと思うか、変だと思うかは、人によるのでは。