声の威力というのは、それだけで偉大なんだよ。
それは、ワーグナーに限らない。
ベーレンスは、バーンスタイン盤のイゾルデ以外のワーグナー録音では、
必ず、どこかに発声の問題が散見している。
偉大な歌手ですら、数年しかない真の声の全盛期に、
当たり役で録音できるかどうかってのは、まさしく天運。
ニルソンには、その運が微笑んだし、
ベーレンスには、不完全にしか微笑まなかった。
それだけのことだ。