>>239>>242で指摘した「全人格的に愛されている作曲家の幸福」という
観点から、次にメンデルスゾーンの弦楽交響曲について考えてみよう。
メンデルスゾーンは、10代半ば、具体的には15-6歳に夏の夜の夢序曲を
書いた頃から習作期を越えて一人前の作曲家であった。これは異議がないでしょ。

最近になって、ヴァイオリン協奏曲ニ短調や12曲の弦楽交響曲など、
メンデルスゾーンにおける本当の習作期(14歳まで)の作品が演奏、録音される
機会が急激に増えてきた。これは、純粋に曲が優れている(弦楽合奏のための
良いレパートリが少ない。あってもロマン派が極端に少なく、古典派と現代に
なってしまう)という面があることもさることながら、
メンデルスゾーンが「サン=サーンス的愛され方=単賞の愛され方」を脱した
兆候とみなせないだろうか?
メンデルスゾーンも、親友のシューマンと比較して「全人格的に愛してもらえない」
作曲家の代表の一人であったと思う。シューマンなら、たとえ管弦楽法が変でも
ピアノ協奏曲まで愛してもらえたが、メンデルスゾーンは二曲とも愛されない。
そんな彼であったが、最近は習作が愛されている。ありがたいことだw