「百科全書的」という言葉のニュアンスにもよるけど。
体系的に聴く楽しみは、どういう独自色、相互影響があったか
それこそあるとき突然なにか感じることができること。

イギリスの鍵盤作曲家はカトリックの信仰を守るため
大陸に渡り、イギリスで発達していた変奏曲の技法が大きな
スウェーリンクに影響を与えた、そして宗教歌も変奏の題材にし、
コラールが元となった各種レパートリーの基礎になる。
一方南方では、ピッキやデ・マックなどからメールラやA.ガブリエリを経て、
対位法書法を極めた方向に発達していく。フレスコバルディもこの延長線上。
題名から明らかなようにもともと南方の鍵盤作品は声楽作品の模倣から始まっているので、
フレスコバルディは結果的に近代化を果たしたような形になっているけど、
先人たちが劣っているわけではない、歴史はグラデーション。
ナポリではスペイン支配下だったので、ハープとの互換性重視や、
やや古い書法でイタリアでも特色があった。
フランスは先行発展していたリュート音楽の模倣から
舞曲を主にした組曲の形を整える
やがてドイツの鍵盤奏者は北か南に留学、次第に相互影響が始まり、
フローベルガーがそれこそイギリスを含めて各国を回り、ドイツでの
新たな様式が生まれ始める…とか書いていったらきりがないし、
このスレの人たちには釈迦に説法だから、あくまで例なんだけど、
こうして順々にたどっていくと、ああなるほどバッハは集大成者だ、ってなる
コラール前奏曲にしても、パッヘルベルタイプとブクステフーデタイプに
はっきり色分けされていた初期から、晩年のものがいかに新しいものか、
文章じゃなくて弾いたり聴いたりしたらよくわかる。

勉強って本来楽しいものじゃない?受験で無理やりやった記憶が日本人には
どうしてもトラウマになるけど、知らないことを調べるって最高に楽しいと思うよ。