サントリーホールでの土曜の定期を聴いてまいりました。

日本フィルの演奏、好調ですね。
確かに金管群のフォルテも強力ですが、木管も負けずに魅力的でした。
特に、「牧神」でのフルート・オーボエ・クラリネットの見事な連携、「ルル」の雄弁なサックス!!
それから、「ラ・ヴァルス」での弦楽群も、絹のようなフワリとした音色から終結部での猛烈なアッチェランドでの乱れぬアンサンブルまで、聴き応え充分でした。

初めて聴く山田和樹の指揮、私は「牧神」のニュアンス豊かでゆったりとした響き、「パリ」交響曲でのタイトな快速テンポの中に明滅していく豊かな表情付けが、なかなか素晴らしかったと思います。
こういう若々しい溌剌としたモーツァルトも、好ましいですね。

でも、「ルル」はちょっと不満。
見通しが良く音楽的純度の高い演奏でした(それをやるならベルクよりもヴェーベルンでしょう)が、ルルにはもっと強烈な、それこそパンドラの箱から飛び出してきた魑魅魍魎のような毒素が欲しい!
纏わりつく男どもを片っ端から皆殺しにしていく、強烈な毒婦の腐敗臭が欲しい!!

何だか石原都政で浄化されてしまった新宿歌舞伎町のような、物足りなさが残念無念でした。
でも、これは、10年後、20年後の山田和樹に期待したいですね。

因みにプログラムノートの執筆者岩野裕一氏は「ルルはパリとは無縁と思いきや、この歌劇の完全版はパリで初演されている」と書いておられますが、ルル第3幕の舞台はパリ(とロンドン)でしょ! ペナルティーとして晩飯抜きだな。