「斎藤秀雄・音楽と生涯」、「喜遊曲、鳴りやまず」を読んでみてくれ。彼が現代の人間の物差しでははかりきれない強烈な個性をもった明治の男だ。当時の桐朋学園での常軌を逸した彼の言動を知れば、その程度のことは想定内だ。
彼は日本のクラシックをヨーロッパに近づけ追い越すことに夢中だった。日本のコンクールなんて、そのための一つの手段にすぎなかった。ただ、指導して謝礼を受け取るような守銭奴ではなく純粋だった。