グールドは数学が好きで得意科目だったらしいね。もしかすると資質的に言って、数学に専念したら、
そこそこの数学者になってたかもしれない。しかし、ピアニストとして得た名声と比べると凡庸な数学者で終わってた可能性が高い。
グールドにとって「音楽」は「音学」だったのではないか。グールドが「音の数学的構築性と言えるような音楽を形作った
バッハ」に惹かれたのは、けだし当然だったのではないか。同じ理由でロマン主義に対する偏った見方をしていたような気がします。
つまりグールドは音楽における「構造主義」者であった。音楽における装飾性を剥ぎ取り、そのあとの「芯」の部分に残る普遍的なものを愛したのだろう。
しかしそれではコンピューターのような無機質なものと変わらない。逆説的だが、グールドがそのようなものに意識を集中させることによって
「ある種の詩情のようなものを醸し出す」のだ。人間という不可思議な存在の創造性の謎がそこにある気がするのです。
以上が、グールドは究極の「音楽オタク」であると私が考える所以です。