>>364
解説は他の作品と共通です。364さんは音楽をされている方ですか。
以下、ピツェッティ「交響曲イ長調」の解説です。

四楽章、三管編成の交響曲で、他にハープ二台、チェレスタ、
打楽器が用ひられてゐるが、之等は重用されてゐない。絃は頗る
重視され、ヴィオラはヴァイオリン同様第一、第二に分けられてゐる。
第一楽章、第二楽章、第四楽章がヘ長調で第三楽章がニ長調であるから
交響曲イ長調の呼称は不可解の様であるが、全体の基調をなす音が
イ音であり、第一楽章第四楽章共にイ音の上に終止してゐるので、
交響曲イ長調と呼ぶ方が正しい。第一楽章は自由なソナタ形式である。
最初序奏の如き三拍子の緩徐な部分を経て同じく三拍子の急速な主要
部分に入るが、序奏部に現れる主題が四楽章全部を貫く主要旋律なので
ある。ホルンが冒頭無伴奏で吹き始めるから、誰にもそれと解る。
急速調に入ってから更に二つの主題が現れて、それ等三つの主題が
色々発展する。第二楽章は三部形式の緩徐調で、最初フルートと
ファゴットに現れる主題は明かに第一楽章の主要旋律よりの変形である。
第三楽章は八分の三拍子の急速調で殊更スケルツォとは呼んでゐないが、
トリオもあり、所謂スケルツォとなってゐる。第四楽章は緩徐な序奏を
通って荘重な行進曲となるが、いずれも第一楽章主要旋律よりの変形で
ある。普通トリオの来る部分も拍子が三拍子と変わるだけで同一主題で
あり、結尾の緩徐調も亦同じである。こうした方法に依って示される
ピツェッティの技巧は誠に驚くべきものである。

(以上です)