>>57
>>55さんじゃないけど、55を読んで「音楽と音楽家」を読み直してみたよ。
君も、こんな有名な本なんだから読んだほうがいい。

ピアノ二重奏とピアノソナタの項目では、55の引用の前段に
ベートーヴェンとシューベルトの関係が延々と書かれてあって、
たとえば「シューベルトはベートーヴェンにくらべれば少女の如く
はるかにおしゃべりで柔らかで冗長で、巨人の下で無心に
遊ぶ子供のようなものである」と。
その少し後で>>55が書かれてあるのだから、普通に読んだら
シューベルトの最後のソナタは女性的で構成的じゃないと
シューマンが判定しているように読まれる。

ここでシューベルトだけじゃなくて、本人も含めて当代の作曲家全員が
「ベートーヴェンの遺産で食っているようなもの」とも断言していて、
ベートーヴェンという太陽の周囲を惑星のようにシューベルトや
メンデルスゾーンが周ってるというドイツロマン派的世界観を
提示した初期の最強の本だということは間違いない。

即興曲についてのエッセーでは、有名な第三曲の変奏曲を
「子供が書いたような」とボロクソにいってるし、
まあ、創作者としてのシューマンの個人的な感想を
延々と出版しているという風に割りひいて考えなきゃいけない
本である。しかし、それが興味深いが。

ベートーヴェンを賛美する一方で、フンメルのエチュードを「出たのが23年遅い」と
時代遅れ呼ばわりしていたり、メンデルスゾーンの作品44の弦楽四重奏群を
「ここから何も学ぶべきものはない(おいおい、これは彼にとっての
ラズモフスキーと呼んで良い名曲でしょうが)」と罵倒したり、
後世への偏見を残した影響は甚大だと思う。