父   「息子よ、なぜ顔を隠すのだ」
子   「お父さんには魔王が見えないの。七輪を使って、魚を焼いてる・・・」
父   「あれはたなびく霧だ・・・」
魔王 「サンマの塩焼きジュウジュウ 大根おろしショリショリッ」
子  「お父さん、お父さん!きこえないの。魔王がぼくになにかいうよ。」
父  「落ち着きなさい、枯葉が風にざわめいているだけだよ。」
魔王 「炊き立てご飯パカッフワッ ポン酢トットットッ…」
子 「お父さん、お父さん!見えないの、あの暗いところに魔王の炊飯器が!」
父 「見えるよ。だが、あれは古いしだれ柳の幹だよ。」
魔王「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」
子 「おとうさん、おとうさん!うわ キモ!魔王きめぇよ 死ね!」

 父親はぎょっとして、馬を全力で走らせた。あえぐ子供を両腕に抱え、やっとの思いで館に着いた・・・
 腕に抱えられた子はすでにご飯を炊いていた。