「第1番。序奏が鳴り出したとたん、あまりに硬く、あまりに無機的な音なので、あわててプレイヤーをいつものステューダーからラックスマンに変え、なんとか全9曲を聴き通すことが出来た」

「とにかく史上最も明るい音色で鳴る最新型のベートーヴェンで、テンポも不自然なくらい速く、絶えずわざとらしいほどリズミック。フォルテに含みは皆無、それどころかいつも頭にアクセントがつき、生命力に富んではいるものの、あわてて走りすぎてゆく感じがつきまとう。
人工的な強弱も多い。第2楽章のスピードも、ほとんど伝統の破壊を思わせる。古典の約束事にないことがつぎつぎと現われる。全4楽章、まるで機械が演奏しているような無内容の音が連続する」