キングは美声だし、好きだけど、どちらかと言うと、古い世代に属すると思う。
声に広がりはあるんだけど、張りが今ひとつなので
ワーグナーテノールとしての、神秘性に欠けるのが惜しい。

ヴィントガッセンは、声は鈍重だけど、イヤな感じがしないのは
感情表現が巧みで共感しやすいからだと思う。

ヴィッカースは、ホンモノのワーグナー歌手の一人だと思う。
イタオペの実績もあるし、全てにおいて中途半端なトミンコとは大違い。

ラモン・ヴィナイは、声のスケール感は圧倒的なので、聴いていて楽しめる。

コロは、欠点を挙げ出したらキリが無いけど、あのドイツ系にありえない
甘美で力強い美声と、神秘的な独特の響きが、ワーグナーうんぬんよりも
ルネ・コロとしてキャラ立ちしてる最強無敵のワーグナーテノール。

ホフマンは、もともとバリトンで声が暗いのに、常に甘美さを意識する事で
少年・青年性を滲み出す事に成功してる。
この認識が彼のオペラ歌唱に対する理解の深さで、それはあの、
暗いセクシーなムードでありながら、どこかゆるく、子供っぽく、
しかしながらここ一番での、非常に張りの強い歌声に現れてる。

キングやコーンヤ、グレートドラムテナーやボータ、フランツ、トレレーヴェン、
ディーン・スミス、そしてカオフマンにはこれが無い。

ワーグナー歌手としてのホフマンの美学はコロに匹敵すると思う。
というか、コロと方向性は同じ。要は女性的に歌ってるのよね。

他のテノールは、おっさんが顔を出してしまう。これ、わかっていない証拠。
ソプラノも同様。