「凡そ詩人を解するには、その努めて現そうとしたところを極めるのがよろしく、努めて忘れようとし隠そうとしたところを詮索したとて、何が得られるものではない」
若い頃に小林秀雄から学んだことの一つだが、何も詩人に限ったことではあるまい。

私はこれまで仕事柄、マニュアルのほとんど通用しない世界で生きて参りました。
ある生徒の性格なり頭脳の傾向なりを2〜3の問題への反応から判断しその生徒なりしクラスの傾向に合わせた授業をしてきた訳です。

1回目の授業がその年の、或いは講習会の成功の鍵を握っていたのです。それさえ掴んでしまえばあとはほぼ思い通りに進めました。

しかし、人間にも多様な面があり、最近個別対応の仕事をしていて「光の当て方」で同じ人間でも別の面が見えてきたりする(講義形式でこれをやるとうまくゆきません)。1割の中にともすると本人も気付かずにいるその生徒の才能があったりする。

さて、何度も申しました。「出てきた音楽がすべて」だと。皆さんにご忠告、「下手な予備知識」など排し、じかに音楽(演奏)に向き合っては如何かと。
無論、この場合、再生装置の性能、部屋の環境が重要な要素の1つになります。
同じ景色でも、天候、季節、時刻により様々な姿を見せるということです。

あ、実演では「小林研一郎さんの第九」が最高の熱演でした。