フルトヴェングラーの個人主義は当時の主流スタイルだが
楽譜至上主義のトスカニーニは当時斬新であり異端だった
(当時のミステリ作家でもあり美術評論家でもあったヴァンダインの著作において
当時主流のフルトヴェングラーたちに対して
いかにトスカニーニが異端で受け入れ難かったかというくだりが載っている)
カラヤンやセルと言った若い指揮者たちがトスカニーニのスタイルに感銘を受け
こぞって真似したのもその斬新さが故だった

トスカニーニがあまりに多くの後進に影響を与えたがゆえに
現在ではトスカニーニのスタイルが主流になり
フルトヴェングラーが逆に異端で唯一無二のような扱いになっているが
フルトヴェングラーは単に「当時たくさんいた普通の指揮者の一人」というに過ぎず
音楽史において何一つ変わったことはやっていない
フルトヴェングラーが指揮者界の異端児であり唯一無二の存在であったなどという
無知なファンの解釈には失笑を禁じ得ない