>和声進行、転調の妙技においてベートーヴェンはモーツァルトを超える事はできなかった。
>かなり複雑な事をさらりとやってのけている事いますよ。弦楽四重奏曲「不協和音」もしかり。

ベートーヴェンは、和声や調性は、なるべくシンプルなものを目指したはずです。
モツとは別の意味で、とことん無駄な音符を排除しています。
JAZZなんかと比べると、複雑さ・テクニックのレベルは全然高くありません。
後期は難解ではありますが、それでも普遍的な感情を単純に様式で抽象化することに大成功しています。
モツの領域にベトは関心がなかったはずです。それまでのバロックや宗教音楽・宮廷音楽の
枠を完全に脱し、人間の基本的な感情をとことん追求しました。一音にこだわる執念はすごいです。

>ベートーヴェンの代表作「ワルトシュタイン」「熱情」の方がよっぽど単純な気がしている。
>勿論、ベートーヴェンの偉業といえる、「ソナタ形式の拡大」「動機の展開」などは解っているが。

ワルトシュタインと熱情はソナタの本質を示している。
そこでも、和声進行だけにとらわれてはいけません。
難解でありながら、単純で心のこもった演奏行為があって始めて楽曲が意味をもつ、古典最高峰を形成する2曲です。
既存の枠組みの破壊と同時に、人類共通の感情を表現している。